お花の心理学

視覚的効果

リラックス効果
植物が目に入る環境で、人はアルファ波が増幅されることが実験で確認されています。アルファ波は脳波の一つで、心身ともにリラックスした状態のときに発し、それはストレスを緩和する効果、脳の活性化を促して体の免疫力を高める効果、病気を予防する効果が確認されています。長い間自然の中で暮らしてきた私たち人間が、花や緑をみてリラックスするのは遺伝子に組み込まれた当然の反応だと思われます。

ネガティブな感情の抑制効果
パソコンの入力作業によるストレスが、花のある部屋とない部屋にいる人を比較してどう変わるのかを研究した実験があります。花のある部屋にいる人の方が、疲労や緊張、不安などの気持ちが抑えられるといった結果が確認されています。

A 植物のある部屋B 植物のない部屋
怒り・敵意3.4%減少↓0.3%上昇
活気3.2%上昇↑0.6%減少
不安・緊張・疲労どちらも減少したがAの方が減少率高
※パソコン作業後30分後の、気分プロフィール検査による心理指標を測定 

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色彩的効果

花には様々な色があります。色彩心理学では、色が人間の体と心に様々に作用することを確認しています。緑はリラックス効果、ピンクには不安を和らげ優しい気持ちにする効果、赤には交感神経を刺激し、活力や気持ちを高める効果、青には心身を落ち着かせ集中力を持続させる効果、など。花の持つ様々な色は、花の植物としての力や香りの効果と共に相乗的に人に良い効果を与えてくれると推察できます。

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香りの効果

嗅覚は人間の五感のなかで唯一、大脳辺縁系に直接働きかけるもの。大脳辺縁系というのは人間の本能や感情を支配している部分です。つまり香りは強力に、本能や感情に作用するといえます。

自律神経系改善効果
あらゆる植物は、フィトンチッドという香り成分を放出しています。その香り効果は、ストレス緩和やエネルギー回復、自律神経系の改善など、大学や研究機関によって証明されています。

疲労軽減効果
青葉に含まれる青葉アルコールや青葉アルデヒドには疲労回復効果があります。それらの成分を鼻腔の奥の嗅覚細胞がキャッチすると活性酸素が発生しにくくなり、疲労が抑えられます。疲労が生じるような負荷がかかった状況で嗅ぐとより効果的です。

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集中力・記憶力向上効果
植物やハーブの中には、よく知られているリラックス効果だけでなく集中力や記憶力を高める効果が確認されています。セージ、レモンバーム、ローズマリーは特に、記憶力を高めるハーブと言われています。